「アーユルヴェーダとヨガの違いは?関係は?」
ヨガをやっていくと「アーユルヴェーダ」という言葉に出会う事が多いと思いますが、あなたはアーユルヴェーダとヨガの違いや関係性を知っていますか?
結論からお伝えすると、アーユルヴェーダとヨガは非常に深い関係があります。
ここでは、そんなヨガとアーユルヴェーダの関係性についてお話ししますので、ぜひ参考にしてみください。
目次
ヨガとアーユルヴェーダは親戚
ヨガをしていると、自然と「アーユルヴェーダ」を知っている方、生活に取り入れている方も多いかもしれません。
ヨガもアーユルヴェーダも古インド哲学最古の聖典「ヴェーダ」から派生しています。
アーユルヴェーダはヴェーダの中の特に医学的な部分、ヨガは特に精神修行の部分が切り取られて、派生していきました。
アーユルヴェーダとヨガは身体的・精神的という両面性を持つ関係ですが、根本的な思想が同じもので、言わば姉妹や親戚のような関係といえるでしょう。
心身のバランスをとり、健やかな状態へ導くという面ではヨガもアーユルヴェーダも同じゴール!
アーサナ、呼吸法、瞑想などのアプローチをとるヨガ。
それに対し、アーユルヴェーダは、 季節や時間帯、また個々人の体質や性格などにあわせて、その人に本当にあった自然な方法で不調の改善や予防を提案し、心身の健康をめざすものです。
このように2つを組み合わせる事で、より健やかな人生を送ることができるのです。
アーユルヴェーダとは?伝統医療「アーユルヴェーダ」について知ろう!
日本ではオイル使ったマッサージや、第3の目といわれる額の中心の“チャクラ”に温かいオイルを流す「シロダーラ」等が有名なアーユルヴェーダですが、本来は一人一人の本体の身体の性質を診断し、それぞれに合った食生活やケアをすることによって、心と身体のバランスを整えていくインド発祥の予防医学です。
アーユルヴェーダは、2つのサンスクリット語からなりなっています。
前半の「アーユル(アーユス)」は、生命という意味があり、後半の「ヴェーダ」は知識、教え、科学という意味があります。
日本語では「生命科学」や「いのちの科学」と訳されます。
アーユルヴェーダは紀元前約1000年前に記された『ヴェーダ文献』が起源とされていおり、すごく昔から人々の生活にとりいれられているものなのです。
アーユルヴェーダの目的は「健康な人の健康を守り、病気の人の病気を治すこと」と古典書に記されています。
病気にかからずに健康で長生きすることができるよう、病気の予防と健康長寿、若返り、幸せに人生を過ごすための秘訣が沢山つまっています。
医学ですが、病院や医者に頼ることなく、日々の暮らしの中でセルフケアを通じて病気や老化の予防を行うことができるのもアーユルヴェーダの魅力です。
まずは、自分のドーシャを知ろう!
前記でお伝えした通り、アーユルヴェーダは病気を予防し健やかに幸せに人生を送る為の知恵とお伝えしましたが、アーユルヴェーダには自分の体質または生命エネルギーがあるとされています。
体質は、アーユルヴェーダ理論による「ドーシャ」から判断します。
ドーシャとは「増えやすいもの、乱れやすいもの」という意味で、生体内を司る五元素「風、空、火、水、地」で構成されています。
人は生まれながらにして生体内でどのような働きが強く出て何に影響を受けやすいかという体質のタイプが決まっています。それを、五元素の組み合わせで知ることができるのです。
大きくヴァータ(風)・ピッタ(火)・カパ(水)と呼ばれる3つのドーシャに分けられます。
上記3つのドーシャタイプのことを、「トリドーシャ」と呼びます。
「ヴァータ+カパ」「ヴァータ+ピッタ」「カパ+ピッタ」の混合タイプや、全ての元素が均等なタイプも合わせ、大きく分けて、全部で7つのドーシャタイプが存在します。
ドーシャは「増えやすいもの、乱れやすいもの」という意味なので、ヴァータタイプは五元素のうち「風」や「空」の影響を受けやすい体質ということになります。
ただし、季節や身体の状態によって、受けやすい影響は変わってきますので、まずは、自分の体質やその時の身体の状態に合わせて、必要なものを取り入れるためにはご自身のドーシャについて調べてみてください。
アーユルヴェーダは生活に取り入れよう
アーユルヴェーダには、日本で有名なマッサージやシロダーラ等がありますが、その他に毎日行う食事や季節に合わせた過ごし方等にもポイントがあります。
例えば…「なんだか上手く眠れない。よく寝ても疲れが取れていない」など睡眠について。
寝る前に、頭が冴えるような行動や、判断力や理解力を求められるようなことを行うことで、火のエネルギーを持つピッタドーシャが増加します。
一方、しっかり睡眠時間は確保しているはずなのに寝足りないなとか疲れが取れていないと感じる方は、水のエネルギーを持つカパドーシャが増えていると考えられます。
カパドーシャは、長時間の睡眠時間や、昼寝、日中の運動不足などによってバランスが乱れます。
また、冬から春へと季節の移り変わりによって、カパドーシャが優勢になるため冬から春は起きるのがつらいと感じる事が多いのです。
このように、季節によってドーシャによって生活の質が変わるのです。
その為に、アーユルヴェーダの特徴や知恵を知り、より良い生活を送れるようにしていきましょう。
上記でお話しした“睡眠“についても、いくつかパターンによって、解消方法をご提案します。
✔目や頭が冴えて眠れない場合は…
ピッタドーシャが優勢になる前の時間(午後10:00より前)にお布団に入る。
ウッド系の香りや、ラベンダーやローズの香りのアロマを焚く
ホットミルク等を寝る前に飲む
✔寝足りないと感じる場合
夕食を軽くする、もしくは断食をする
夕食後に軽い運動や散歩をする
毎日運動を日課にする
これもアーユルヴェーダのドーシャの乱れに合わせて、睡眠の質を上げる方法を提案しています。
このように、アーユルヴェーダには「ドーシャ」というものがあり、その体質に合わせて、季節に合わせて生活に取り入れるものを選択し、薬や医学に頼らずに健やかに過ごすことを目指しています。
アーユルヴェーダをヨガに取り入れよう
アーユルヴェーダをヨガに取り入れるためには、まず自分の体質を知ることから始めます。なぜなら、体質ごとに適したヨガのアーサナや呼吸法があるからです。
【ヴァータ】
風や空の影響を受けやすく、つい忙しく動き回ってしまうヴァータタイプにおすすめのヨガは、リラックスすることに重きを置いたアーサナと呼吸法がおすすめ。
✔アーサナ:前屈のポーズ
前屈のポーズは自律神経のバランスを整え、高いリラックス効果を期待できます。
✔呼吸法:はちの音呼吸法(ブラーマリー呼吸法)
落ち着かないとき、ソワソワする気持ちをリラックスさせてくれる呼吸法
【ピッタ】
火の影響を受けやすく、熱性と鋭さ、強烈さを持つピッタタイプは、胃腸に負担がかかりやすいため、肝臓や腸の動きを整える「ねじりのポーズ」や「鳩のポーズ」のような脇腹を伸ばすポーズと、冷たい空気を取り入れられる呼吸法がおすすめ。
✔アーサナ:ツイストのポーズ
ツイストのポーズは、お腹周り・腰回りの筋肉が刺激されることや股関節が柔軟になることで、内臓が正常な位置に戻り消化機能が期待できます。
✔呼吸法:シータリー呼吸法
ピッタのバランスを整えるには、クールダウンが効果的です。
気持ちが落ち着き、体内の熱が冷増してくれる呼吸法
【カパ】
✔アーサナ:カパタイプは安定しているので、その時の体調に応じてアーサナの実践をしてください。
ただ、カパタイプはおっとりしている性質があり、運動不足になりやすいため、少しハードなアーサナやカファのエネルギーが溜まりやすい胸や肩周りに刺激を与えるアーサナがおすすめ。
✔呼吸法:カパラバーディ呼吸法
体を温める効果のあるカパラバーディ呼吸法を行うと停滞したエネルギーに火をつけ、カパの湿り気と冷たさを減らしてカパをバランスさせる効果があります。
このように、ドーシャに合わせてヨガのアーサナや呼吸法も変わってきます。
ご自身の体質を知り、ヨガに向き合ってみるのはいかがでしょうか。
まとめ~はじめの一歩「今の自分を観察し、必要なケアを始める」~
最初にお話しした通り、心身のバランスをとり、健やかな状態へ導くという面ではヨガもアーユルヴェーダも同じゴール!
アーユルヴェーダを学びヨガに取り入れることで、ヨガだけを学ぶよりも、さらに心身の健康に近づくことができます。
その為に、まずはご自身を知ることから始めてください。
ご自身の体質はもちろん、今している生活のリズムや体調のいい時、悪い時はどんな季節なのか?睡眠は?
しっかり今を見つめ、ご自身に合ったアーユルヴェーダの知恵やケアの方法を取り入れることで、より健やかな日常を過ごすことが出来るのではないでしょうか?
そんなヨガとアーユルヴェーダの関係や、アーユルヴェーダについて、もっと詳しく知りたい方は、生活の中にヨガとアーユルヴェーダを実践している光恵先生のワークショップがおすすめです。
本場のインドやスリランカでもヨガやアーユルヴェーダを学んでいる光恵先生が「アーユルヴェーダ入門編」